不動産コラム【R7/7/1】 マンションの大規模修繕 ②計画から工事までの流れ

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マンションの「大規模修繕」と聞くと、「いつの間にか修繕工事が始まっていた」とか、「何をやっているか分からない」という印象を持たれる方も多いかもしれません。
しかし実際には、住民の合意形成と綿密な準備のもとで段階的に進められる、大きなプロジェクトです。
今回は、大規模修繕がどのような手順で進められていくのかをご紹介します。

1.長期修繕計画の確認

マンションには、あらかじめ「長期修繕計画書」が作成されており、10~30年先までの修繕計画や時期、費用の目安が示されています。
この計画が、大規模修繕の言わば≪設計図≫となります。
住民の誰でも確認できる資料なので、売却希望の方も是非チェックしましょう。

2.修繕委員会の立ち上げ

修繕の時期が近付くと、理事会とは別に「修繕委員会」が設置されます。
施工会社の選定を行ったり、修繕計画を立案するなど、専門性の高い判断をするため、管理組合の中から有志を募って作られたりします。
マンションの居住者による修繕委員会なので、住民目線での大規模修繕となり、計画もまとめやすく円滑に進められるでしょう。

3.調査・診断の実施

建物の現状を正確に把握するために、専門の建築士などによる「劣化診断」が行われます。
外壁や屋上、防水、配管など、見えない部分も含め細かく調べた上で、必要な修繕内容が洗い出されます。

4.設計・施工方式の決定

大規模修繕を進めるにあたっては、まず「設計・施工方式」の選定が必要になります。
主に以下の2つの方式があります。

設計監理方式 
→ 設計と施工を別々の業者に依頼する方式。
透明性が高く、施工内容を第三者がチェックできるので、トラブルを防ぎやすい。

責任施工方式 
→ 設計と施工を同じ業者が一括で担当する方式。
費用や手間が抑えられ、手続きが簡便になる一方、第三者による工事内容のチェック機能が働きにくい面もある。

どちらが適しているかは、マンションの規模や管理組合の方針によって異なります。

5.業者の選定と総会での決議

複数の施工業者から見積もりを取り、比較・検討を経て1社に絞ります。
最終的な工事の内容と費用がまとまった段階で、管理組合の総会にかけられ、多くの場合過半数の賛成で正式に決定されます。

6.工事着工と居住者への配慮

工事期間はマンションの規模にもよりますが、一般的には数カ月(3~6ヶ月程度)にわたります。
居住しながらの工事となるため、足場や騒音、日中のバルコニーの使用制限など、一定の不便が生じます。
そのため、工事期間中は管理会社や業者から定期的な説明や通知があり、出来るだけ生活に支障が出ないよう配慮されます。

 

大規模修繕は、ただ建物を直すだけではなく、住民の資産と快適な暮らしを守るための大切な取り組みです。
準備から工事完了までには数年単位での時間がかかりますが、その過程を理解しておくことで、住んでいる方も、これから住もうと考えている方も安心できますね。

弊社では不動産に関する経験豊富なスタッフが丁寧にご説明、お手伝いをさせていただきます。

不安や疑問等がある場合は、是非ご相談ください。

 

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